思い出の、捨てられない腕時計
Petit fraise(プチ・フレーズ)は、壊れて動かなくなった時計を分解し、その部品を使ったアクセサリーを制作しています。
あれは6年前。
実家の机の中から、壊れて動かなくなった時計が出てきました。
貯めていたお小遣いを使って買った、思い出の時計。
本来であれば修理して使うのですが、もう10年以上前のもの。
洋服のテイストにも合わず、出番がなさそうでした。
とは言え、当時は大事にしていたという思い入れもあり、捨てるのは忍びない。
しばし悩みました。
そこで閃いたのが
「機械式時計の中って、一体どうなっているんだろう…?」
時計を修理する技術を持っていないので、分解してしまうとそれでおしまい。
しかし興味の方が勝り、気が付いた時には精密ドライバーを手に取っていました。
裏蓋を外し、小さなネジを回していきます。
機械式時計は、小宇宙
そこには、小さな宇宙がありました。
とても細かい部品が、ぎっちりと詰まっていて
その1つ1つが大切な役割を持ち、働いています。
精巧な造りと仕組みに、すっかり心を奪われてしまいました。
当時、樹脂を使ったモノ作りをしていた私は
「この世界観を、他の形で表現したい!」
と思い、時計部品を使ったモノ作りをはじめます。
捨てられる運命の時計に、新しい命を
問題は、時計部品をどのように入手するかでした。
現役で動く時計は、時計としての役割を全うすべきであって
それをわざわざ壊してアクセサリーにするのは、何か違う。
そう考えて、壊れた時計を探すことにしました。
色々調べているうち、フランスの蚤の市(古物市)で壊れた時計がたくさん売られていることを知ったのです。
部品だけを上手く取って、他の時計の修理に使う人もいるそうですが、錆びついて捨てられる運命のものもあるとの事。
そんな時計たちに、新しい命を吹き込みたい。
そんな想いで、現在はフランスやアメリカから時計を送ってもらい、制作しています。
全てがアンティークの時計なのか?について
アンティーク(100年以上前のもの)もありますし
ヴィンテージ(100年以内のもの)もあります。
また外国製ばかりではなく、日本製の時計も巡り巡って私の手元にやってきます。
Petit fraiseのコンセプトは
「壊れた時計に、新しい命を」
アンティークなのか、ヴィンテージなのかということは関係ありません。
たとえ錆びついていたとしても、その時計が動いてきた証として、そのまま使用しています。
ご理解いただけると幸いです。
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